身の回りに受検する人がいたので、2023年6月に世界遺産検定の2級を受けてきました。
その時の勉強記録です。勉強法や「具体的に何を覚えるべきか」という話もしています。
歴検で身に着けた知識(日本史・世界史)が大活躍してくれたので、旅行好きだけじゃなくて歴史の勉強をやっている人にもおススメの試験です。
目次
受検形式
年4回の会場試験と全国のテストセンターなどで受けられるCBT試験の2種類あります。
私が2023年6月に受けたのはCBT形式の試験。
検定料は7,300 円(消費税10%込)です。
詳しくは公式HPで確認してください。
勉強のスケジュール
公式情報だと2週間~1か月程度の勉強期間が多数派で、次点が2~3か月。1週間以下という強者も去年は全体の2割近くいたみたいです。
私はFP3級の試験勉強と並行させつつ、3か月くらいかけて勉強しました。
世界史と日本史の知識があれば、勉強期間は短くて済む?
短縮できる可能性が高いです。
教科書の内容が大体入っている人(共通テストで7-8割目安)にとっては既知のキーワードが多いので、重要項目を覚えるのが苦になりません。
日本史・世界史をある程度学んでいたら、基礎知識と日本の遺産のおさらいだけで5割とれる
基礎知識 | 20% |
日本の遺産 | 25% |
世界の自然遺産 | 10% |
世界の文化遺産 | 35% |
その他 | 10% |
上の表が世界遺産検定2級の出題構成なのですが、上から2つ目の「日本の遺産」までテキストを読み進めたところで、私が一旦過去問を解いてみた結果がコチラ。
100点満点で60点が合格点。
この時点で既に50点取れていたので、ある程度知識があったら1週間以内の勉強でギリギリ合格を目指すというプランもなくはないかも……?
テキスト
公式のテキストと過去問題集があります。基本、この2つで勉強します。
2級のみの過去問題集はありません。
過去問テキストには1級の試験問題が2つと2級の試験問題が3つ収録されています。巻末に各級の例題も収録されていますので、それも解きましょう。
なにを覚える?
公式テキストは「Chapter01.世界遺産の基礎知識」から「Chapter39.絶滅危惧種」まで全39章あるのですが、最初の「世界遺産の基礎知識」に関してはテキストの太字部分を全て覚えていきます。
1931年のアテネ憲章~1994年のグローバルストラテジー設立まで年表になっているので、年号と起きたことも全て覚えます。
世界遺産には10の登録基準があるのですが、その内容も全て把握しておいた方がいいです。
私は普段PCを使って勉強するので、10の登録基準を期間中は壁紙にしていました。
一言一句覚える必要はないのですが、(ⅰ)の内容は何、だとか逆に「自然美」と言われたら(ⅶ)だとかすぐ思い浮かぶくらいまでは落とし込んだほうがいいです。
世界遺産の基礎知識で覚えること
・テキストの太字部分全て
・年表
・10の登録基準
国内の遺産で覚えること
日本の遺産は太字以外のテキストからも出題されるので、全文しっかり読んで把握することが大事ですが、押さえておきたいのはこの4点+テキスト内容。
国内の遺産で覚えること
①地名
②遺産の名称
③登録基準
④地図
⑤テキスト内容
要するに全部じゃん、という感じなんですが、国内の25遺産(2023年5月時点)からは詳細な部分も出題されるので、どういう経緯で登録されたとか、テキストに載ってる写真や、そこに生息している固有種なども全部覚えていた方がいいです。構成資産はたくさんあって嫌になってしまうかもしれませんが(京都・奈良や大阪の古墳などの構成資産は日本史の知識のある人はお馴染みのものばかりなので、歴史が得意だとここも楽です)、国内のものは実際に行って確かめたり体験したりできるものが多いので、楽しみながら覚えましょう。
海外の遺産で覚えること
海外遺産に関しては登録基準を覚えていなくても、遺産の内容から想像できる範囲で聞かれることが多いので、「地名(所有国名)・遺産の名称・地図」+テキスト太字部分のみでも大丈夫です。
20字以内のカタカナを覚えまくることになるので、カタカナの暗記が苦手な方はがんばりましょう。
海外の遺産で覚えること
①地名
②遺産の名称
③地図
④テキスト太字部分
写真からも出題されますので、建築物などは写真もよく見ておきましょう。
生息している固有種、絶滅危惧種なども要チェックです。
どうやって覚える?
勉強方法は好き好きで、「ひたすら書く人」「ネット検索しまくって詳しく調べる人」「問題を何周も解く人」など色々いると思うのですが、世界遺産検定は過去問が大量入手できるタイプの試験ではないので、テキストをじっくり読み込むのが中心になっていくと思います。
私はいつも使っている暗記アプリ『Anki』で全遺産の暗記カードを作って覚えていきました。
Ankiは誰かの作ったデッキをDLして学習することができるのですが、有志の作った世界遺産デッキもHPに公開されているので、自作がめんどくさいかたはそれを利用してもいいかもしれません。
ゆうてこのアプリ3000円もするので、私みたいに趣味で年2,3回試験を受けてる人でもなければおススメできません。
参考にならなくてごめんネ
ノートにまとめたり、テキストを何周も読むのが基本になっていくと思います。
まずはテキストを1周通読してみて、過去問に取り組みましょう。
過去問の取り組み方
テキストを完璧にしてから、いざ試験直前に過去問で実力試し!
という方もいらっしゃるかと思うのですが、テキストをざっくり1周したらとりあえず1回解きましょう。
「どういう内容を問われるのか」が実感できたら、その後の暗記の取り組み方も変わってきます。
なお、過去問題集には例題以外解説がないので、答え合わせをした後の「なぜこの回答は間違いだったのか」に関しては自力で調べる必要があります。
検索がんばろう
公式テキスト以外の勉強法
地球の歩き方
大体公式テキストと過去問題集で完結しますが、世界遺産について楽しく学びたい時にはこんな読み物もおススメ。
「地球の歩き方」シリーズは旅行者としての視点で書かれているので、公式テキストの説明文とはまた違った魅力があります。
出題範囲とずれるところもあるのですが、勉強に疲れたらこのあたりを読んで休憩するのもおススメ。
こども絵本とタイトルにあるように、漢字にフリガナが振られていたり、小中学生でも読めるような簡単な内容なのですが、イラスト豊富で、ひとつひとつの世界遺産のスケールがわかりやすい。海外の遺産のカタカナに苦戦する人は、このあたりを読んで楽しく学ぶのもいいと思います。
Youtube
学習アシストとして、公式が動画で解説を上げています。
その他、早めに受験申込を済ませた人向けに、時事関連を限定動画で解説しています。
試験前にメールでリンクが送られてくるので、早めに申込しておくと安心。
直前動画ってぶっちゃけ役に立ちましたか?
毎年開催予定の世界遺産委員会がコロナやウクライナ関連が影響してイレギュラー化しているので、それも含めた「近年の世界遺産委員会で行われたこと、決まったこと」など時事を押さえていない人には簡潔にまとまっていていいかもしれません。
時事に関してはWikipediaの世界遺産委員会に毎年のことなど詳しく掲載されているので、ここで数年分チェックしておくといいと思います。
本番当日の話
CBT受験自体が初めてだったのですが、身分証明書さえ持参すればあとは筆記用具も腕時計も、受検票すらいらないので、かなり身軽な感じでした。
テストセンターなどで受付を済ませたら、携帯の電源を切り、身分証以外はすべてロッカーに入れてコンピューター室に入室します。
A4用紙(メモ)とボールペンを渡されるので、書いて考えたいことがあったらそのメモを利用します。ちなみにメモは持ち帰り不可です。
場所にもよるとは思うのですが、テストセンターは色んな受検者が入れ代わり立ち代わり入退室しますし、世界遺産検定の受検者だけではなくて、時期によっては漢検や簿記のために来場している人もいるので、普段と違う集中が求められます。
結果が即出力されるのもCBTの面白いところですね。
回答や見直しを終えて試験終了をクリックすると、次の瞬間合否がでるので、会場受験と違ってアッサリ終わります。
結果
87点で合格でした。
おわりに
以上、世界遺産検定2級の受検報告でした。
1級も面白そうなのでそのうち受けようかなと思っているのですが、文化遺産に関しては歴史の知識が相当役立ったのに対して、自然遺産は地理や生物の知識がほぼないので、先に地理などをやってからまた趣味でそのうち受けようかなと思います。
またその時はここに書くから読みに来てね。
おまけ:世界遺産を勉強してよかったこと
めちゃくちゃ個人的だし地味なので最後に書きますが、世界遺産を勉強してよかったこと。
①国の正式名称を覚えられた。
ドイツ、とかフランス、という国名を「ドイツ連邦共和国」だとか「フランス共和国」として正式名称でテキストに載ってるので、そこが覚えられたのはよかったです。「カナダはカナダなんだ~」とか「メキシコも合衆国なんだ~」とか「へー」と思うことが多かったです。世界史やってるとテキストによっては正式名称で解答が書かれているのですが「皆どのタイミングで覚えているの……?」と不思議だったんですよね。
②ニュースに出てくると嬉しい
英語もやってるのでBBCを毎朝聴いてるのですが、アフリカの国立公園のニュースが英語で聞き取れるようになったのでよかったです。
固有名詞は知らないとスルーしてしまうので、知識に幅ができるとついていきやすい。
かといってこういう機会でもなければまとまって覚えられないのでよかった。
ちなみにいつか行きたい世界遺産はヴィエリチカとボフニャの王立岩塩坑です。
1級を勉強したら、行きたいところがまた増えそうですね。
おしまい。