お芝居興味ある?
と聞くと大概この3つのうちのどれかが返って来ます。
「観たいけどなにを観たらいいかわからない」
「チケット取るの大変そう」
「映画と比べて高くない?」
確かに
①何か月も前からその日のために時間を空けて
②苦労してそこそこのお値段のチケットを取って
③3時間寝ない余力を残して
④夕方、劇場にきちんと定刻前にたどり着いて…
⑤あ、その前に劇場までの行き方ナビタイムで調べとかないと…
って1つの芝居観るのにTo doリストどんだけ延びるねん、という気持ちもわかります。一切リスケきかないし。一方、財布持って暖簾くぐって飲みに行くのにTo do 管理いりませんからね。
観劇のハードルは高い。
でももし、
- 予約の必要なし
- 街中でふらっと観られる
- しかも無料
の、演劇祭があったらどうですか?
あります。あるんです、そういうの。
GWに、そこまで混雑もせず、のんびり、
しかもたまに野外でお芝居が観られる演劇祭。
その名もストレンジシード静岡。
紹介していきます!
目次
そもそもストレンジシード静岡とは
静岡市内の色んなところでお芝居が観られるお祭りです。
GW後半、2018年は4日間ぶっ通しで開催されました。
予約は不要・観劇無料。
とても気軽に国内、そして海外の面白い芝居がたくさん観られます。
特によいところは…
- 色んな公演があるので、普段観ないお芝居に触れて世界が広がる
- 野外で観るという貴重な経験ができる
- 役者さんが近い
- 好きになった公演は複数回観られる(←大事!!)
という4点。
手ぶらでなんも考えずに静岡に来てももちろん最高に楽しめますが、以下の「あると便利な持ち物」や「休憩もぐもぐリスト」で事前の心の準備を整えていってください。
あると便利な持ち物
静岡市内はローカルな100均だけでなく
無印もパルコも伊勢丹もあるので
大概のものは来てからでも買えます。
どんとこーい、と思ってうかつに出かけましょう。
宿も後述しますがなんとかなります。
敷物(100均でも)
野外公演がほとんどなので、必須アイテム。
私は現地の100均で買いました。
静岡市内、聞いたことのない100均がゴロゴロしてて楽しいです。
うすーい座布団を敷物の上にさらに敷いてる人や、
後方で折り畳みのイスに座って観る人も。
小銭ストック
予約は不要・観覧無料なのですが、
最後に投げ銭という素敵なシステムがあるので
小銭をジャラジャラ持って行くのもよいかも。
あとパッと終わってサッと投げ銭タイムになるので、
とりだしやすいがま口にストックしておくと気軽かな。
ちなみに全然強制的な雰囲気じゃないので、
無理して入れることはないです。
楽しかったら「ありがとね~」って気持ちで
入れるといいです。
帽子など日光を遮るもの
5月の静岡は割と涼しくて、芝生広場の公演だと
時間帯によっては木陰で気分よく観られたりもします
……が!!
直射日光にジリジリと焼かれながら30分近く公演を観ることもあるので
帽子、てぬぐいなど日光を遮るものはあったほうがいいです。
日傘は幅を取るし、後方の人に迷惑になるから
なるべく控えたい。
後ろで立って観る時、周りに人がいない時は
景気よく日傘さすのもOKだと思います。
水分
ペットボトルの水でこまめに水分補給。
熱中症に気をつけて水分とってくださいね、と
主催側からアナウンスも入ります。
公演と公演の間が30分ほど空くことも
多かったので、
カフェ(マクドもサンマルクもスタバもなんでもあるよ)で
ちょっと珈琲休憩いれて次の会場に向かうのも楽しい。
はしごのコツ
2018年のプログラムを観て計画を立てているとき
(うーん、14時半終わりの範宙遊泳の後にレトロステージの山田さんを観に行きたい…けどギリギリすぎるかな…?)
と思って断念したんですが、
レトロステージ⇔ギャラリーステージのような歩いて1分もかからないような舞台だと、一応前の公演から流れてきたお客さんが着席するのを待って別会場の別の公演が始まる、というようなこともあるみたいです。
芝生⇔大階段みたいな少し離れた会場だと
リンクは一切ないので気をつけて。
座席の選び方
本命の公演は15分前には席に着いておく
基本は地べたに座って前で起きている何かを見守る、という
観劇姿勢なので、
前のひとの頭が邪魔だったり、
木陰に隠れて役者を見失ったり、
大階段の上の方に座ってしまったので
ほぼ何やってるか見えない、とか
ありますあります。
なので本命の公演は15分くらい前には
座れるように予定を立てておきましょう。
2018年で言うと、ロロや梅棒が大人気で
早めに行っておかないと前の方のいい席に
座るのは難しい、という印象でした。
そして妥協して「ここでいっか」とテキトーな気持ちで
座ると、その後前の人で芝居が見えなくて
ずっと辛い…ということもあるので
座席は結構頑張って、ちゃんと見えるところを探しましょう。
スタッフの人はみんな誘導上手で、
空いてるところを積極的に教えてくれます。
何を観ればいいのかわからない問題
公演が多すぎて、何を観たらいいかわからない…
そうですね。
凡百の我々が劇団と公演名だけで
「これいけてそう!」
と決めてかかると大体「おもてたんとちゃうやつ」がきます。
人それぞれに「好き」があるので、好きなものを見つけるには
とにかく数多く観ていくしかないわけですが、
ストレンジシード静岡は選択肢が多いので大変ですよね。
本命の前後にちょっとだけ観たいけど
候補が5本くらいあるな…どうしよう…
という人は是非Twitterを開いて探してみてください。
特に2、3日目だと前日に観たばかりのフレッシュな感想が
見つかることが多くて、割と参考になります。
私は事前情報を一切入れないで観るのが好きなので
結果、ぜんぜんおもしろいと思わなかった……みたいな
趣味のちがうお芝居に出くわすことも多々ありましたが、
それも演劇祭の醍醐味だと思うので、
当たって砕けるのも結構楽しいですよ。
観劇の合間のおすすめもぐもぐ
さわやかのハンバーグ
静岡といえば炭焼きレストランさわやかのハンバーグ。
Twitterでちょくちょく話題に上がっているので名前だけは知っている人も
多いと思います。
めっちゃくちゃ美味しい。けどめっちゃくちゃ並ぶ。
ところがこの並び時間とストレンジシード静岡のプログラムが最高の相性なんですよ…! そんなわけないけど遠方からハンバーグ食べに来たひとのために打ってる興行かと思うほど、ストレンジシード静岡に来たらさわやかのハンバーグが簡単に食べられる!
長時間待たずに入店するポイントは3点。
- 新静岡駅併設の新静岡セノバ内の炭焼きレストランさわやかのGW中の待ち時間は平均2~3時間
- 夕食に合わせて15~16時くらいにセノバのさわやかに行き、整理券をゲット。
- 整理券についてくるQRコードを読み込むと、HP上でリアルタイムに待ち時間が更新されるので、あとはこまめにチェックしてのんびりお芝居を楽しむだけ!
駿府城公園(ストレンジシード静岡でいうと芝生広場)から歩いて11分で行ける大きなファッションビルのなかにさわやかが入ってます。他にもジュンク堂など大きめの本屋さんも入ってるので、ちょっと時間をつぶすのにもおススメ。
待ち時間の予想もかなり正確で、整理券をもらったときの予測呼び出し時間から大体10分前後と違わず呼び出しメールが来ます。
ストレンジシード静岡にきたら、ぜひハンバーグも!
バウムクーヘンの治一郎
静岡駅から地下道でひょいっと行けるパルコの地下に入ってます。
バウム専門店なんですが、お食事もあります。
あまくてやわらかいバウムは観劇で劇場をハシゴしまくった休憩に最高です。
あとパン屋さんも併設されてるので、いくつかパンを買っておいて、お芝居とお芝居の合間の休憩にもぐもぐするのがおススメ。
パンも全部美味しくて「その棚ぜんぶいただくわ」がやりたかったくらい。
あまりに美味しいので、静岡最終日に翌日の朝ごはん用としていくつか買い足して帰りました。
お土産バウムも買えます! 年輪ドーンとした分厚いやつも、小分けにして数百円のも売ってます! ぜひ!!
Maruzen Tea Roastery
静岡に来たらやっぱりお茶を飲んで帰りたい。
劇場から歩いて数分のところにあるこのお茶カフェもおススメです。
焙煎温度や浅蒸し/深蒸しが選べて、オーダーしてから一杯ずつ
目の前でハンドドリップしてくれるのも素敵。
お茶のジェラートもやってるみたいです。街歩きにもいいですね。
静岡のナイトライフ、ずらナイト
2017年までは「お芝居を観に来て日中は楽しくても、夜のイベントがなくて寂しい」ということだったらしいのですが、2018年から「ずらナイト」というしりあがり寿さんがホストになった夜のイベントが開催されることになりました。
静岡駅から歩いてすぐのGARDEN CAFE LIFE TIMEというお店で連日開催。こちらも予約なし、ワンドリンク500円で楽しめます。
連日大体20時前~23時くらいまで。終わり間際にストレンジシード静岡で日中公演をしていたキャストの人の飛び入りもあったそうです。
落語、ジャズ、ファンク、そしてよくわからないもの、ごちゃっと聴ける上に多摩美術大学学長がお話しに来てくれる謎の豪華さ。
ほぼ創作の新作落語しかやらない(らしい)落語家、瀧川鯉八。
「落語はお客さんに想像して噺を聞いていただきますが、ラジオのゲストに出た時に、感想のメールで『顔がむかつく』とありましたので、そういうことなんだと思います」
とかつかみだけでもめちゃくちゃ面白い。
DSのソフトで最高のファンクを作る夫婦のユニット、サイモンガー・モバイル
客席との一体感が最高。DSみたいなコンパクトな機材で作曲する旦那さんの傍らで、お嫁さんはでかいオルガンなどを買うそうです。ファンク!
学長の話も面白かった…。しりあがりさんに「できるだけ難しい話をしてください」とお願いされて「はいはい」という感じでマダム・ボルジアの解説を一席ぶっておられました。色々聞けるので、是非一日だけでも行ってみてください。
静岡の急な宿に、おふろcafe bijinyu
急に思いついて行っても、GW中は宿が取れないんじゃ…? とお思いのあなた。ものすごくオサレな朝までやってる銭湯があります!
静岡駅からバスで10分ちょっと、タクシーだと2メーターくらい。
2キロ歩けるなら30分弱で歩いても行けます(歩きました!)
GW期間中はいつもより200円くらい高いらしいんですが、
それでも2780円で朝9時までいられます。
温泉もあるし、マンガもどっさりあるので、お芝居を早めに切り上げて
ここでゆっくりするのも楽しそう。
ただし、次の日の公演がギッチリ詰まってるのに遅くまでマンガを読んでしまうと無事死亡します😇
私はこれ読んだせいで睡眠時間が3時間くらいになって、翌日の公演ほぼ立って観ました。廊下に立ってなさい、の気分で立ってました。
計画性、大事。
最終日をアンコール日とする
1日しか観に行かない人向けの話ではないんですが、
4日ぶっ通しで観るなら、
最後までみっちりプログラム組むよりも、最終日を
「今まで観てよかった公演のアンコール日」
にするのもおススメです。
好きな芝居を気軽に「じゃっもう一回!」できるのは
こういったイベントだけだと思うので、もし心に残った人たちがいたら
ぜひもう一度会いに行きましょう。そして投げ銭しましょう。
私がアンコールで観に行ったのは、
ままごと×康本雅子
変でモゾモゾするけど、あの変でモゾモゾをもう一度観たい…! と思って最終日に。客席の配置が前日と違ったりしてまた印象が変わりました。
渡邉尚(頭と口)
物語が好きなので、物語ばかり読んだり観たりしているんですが、
ひとの身体がああも動くのか、と感動したのでもう一回。
トークセッションも聞きに行ったんですけど、
「アーティストはNOといつでも言えるようにしておくべき。自分は助成金はぜったいもらわない。日本と同じことをやっていてもヨーロッパのほうが断然お金になるので向こうでやることが多い」とかズバズバ言う人で面白かった。
街中の色んなところで公演をやってたんですけど、
やっぱり駿府城公園の芝生広場がいちばん場所としては好きで、
そのせいか「おもしろい」と思えるものが多かった気がします。
2019年もきっと開催されると思うので、GWにお時間のあるかた、
たくさんお芝居を観たい方、
ぜひストレンジシード静岡に行ってみてください。