あなたの高校に演劇部はありましたか?
私の高校にはありました。
と言っても吹けば飛ぶような存在感で(部員は常に0か1)
文化部のゆるいつながりでギリギリ存続している程度のものでしたけど。

人がいないせいで公演なんてやろうともしなかったし、
ましてや演劇の地方大会というものがあることすら知らなかったと思う。

11

そんな高校演劇についての知識が塵ほどもない状態で、
「高校生に捧げます」
とうたったお芝居を観てきた。

捧げる、というのがつまりどういうことかというと

 

■ いつ高の上演ルール ■

 

1. テーマは「まなざし」

 

2. いつ高シリーズは全作品、全国高等学校演劇コンクールの出場ルールを守ります

 

3. 上演時間は60分以内、10分間で行われる舞台美術の仕込みを公開します

 

4. 高校生の観劇料を無料にします

 

5. 戯曲を全て無料公開いたします(西村ツチカさんの挿絵付)

 

6. 部員数に合わせた二次創作を歓迎します

といった感じ。
もうこれだけで面白そう。

私がロロという劇団を知ったのはSNSがきっかけだったんだけれども
こういう面白い取り組みでお芝居を作っているのは知らなかった。

そして当日。早稲田小劇場どらま館。

26

100人近い人で座席がうまる中、開演。
演出の三浦さんが芝居の前提(高校演劇とは、そのルールとは)を説明して、
実際なにもない舞台に役者さんたちが机を並べたり、壁を立てたりして仕込みをしていく。

話の内容を伝えるのは難しいけど、
「放課後って楽しかったね」
「学校で友達を作るのってこんな感じだった」
ということを思い出して、話の筋に全然関係ないところで泣いたりした。
青春時代を振り返って泣くだなんて、
おじさんのすることじゃないかってずっと思ってたのに、
心の老いは突然来るものです。

今はSNSがあるし、我々はもう大人なので
ちょっと飲みに行ったりしたらもう友達だし、
LINE交換したらもう友達だし、
ぜんぜん相手のことを知らなくても、最寄駅名と年齢くらいしか知らなくても、もう友達。

それに比べて高校の時の

「同じクラスで1年過ごしてるので、
好きなアイドルも、音楽も、苦手な教科も、クラスの嫌いな人も、
嬉しい時どういう態度をとるかも、住んでる大体の場所も、
靴のサイズも、大体の視力も、口癖も、
好きなジュースのブランドも、いつも持ってるカバンも、傘の柄も、
お母さんと仲いいかどうかも、
ほとんど把握してる。

でも挨拶したこともないし全然友達じゃない。目が合ったことならある

という圧倒時情報量をお互い抱えたままのすれ違い。

話す理由がないからずっと同じクラスにいても口もきかないのに、
ある日壁がふっと急になくなって、いきなり友達になったりする。
好きなアイドルの話をされても(承知してます!)って思いながら相槌を打ったりする。

でも急になくなった壁が明日復活してないとも限らず、

(こんな風に話せているのは神様の気まぐれボーナスタイムでは??
明日からまたオブジェクトの一つに戻ってしまうのでは??)

ってげらげら笑いながらも不安に感じたりもする。
「また明日」って言って別れて、帰り道はちょっと浮かれてるけど、
貸してくれる約束のDVDを本当に持ってきてくれるかはわからない。
ダメでも傷つかないようにしよう、ちょっとタイミングが重なっただけかもだし、
別に私、他に仲良い友達いなくもないし。

365日が観察の日々で、同じく観察されてて、
自意識過剰だなって思ったりしたけど、
結構見られてて、見ていたな、って思ったら

気がついたら泣いてたよね。
もうあんな友達はできないんだな、ってわかったから。

心の老いを自覚しつつ、
(よく知らないでできた友達と飲む酒も結構うまいぜ)
って、言う相手がいないので、ここに書いておきます。

                                     
出典:ロロ/いつ高のHP http://lolowebsite.sub.jp/ITUKOU/about/
   ロロ/公式ツイッター https://twitter.com/llo88oll

                                   

広告